毎週月曜日は、Bar Music店主である中村智昭が選曲する「USENチャンネル『D/H-3 usen for Cafe Apres-midi』Summer Selection 2011 (放送期間7/11~9/4)Monday 18:00~26:00 by Tomoaki Nakamura」の放送を、店内BGMとしてリアルタイムでお聴きいただけます。
USENホームページ〜選曲リスト
http://music.usen.com/modules/D/content0003.html
「Summer Selection 2011 Monday 18:00~26:00」の一枚
Muriel Winston / A Fresh Viewpoint And Muriel Winston
「usen for Cafe Apres-midi」の10周年を祝うコンピレイション『Haven't We Met?』、もうお聴きいただけましたでしょうか? Bar Musicでも、「愛の作業」によって仕上げられたハンドメイド・パッケージとともに、お客さまから大変ご好評いただいております。今回の「Summer Selection 2011」ではそれをより拡げるようなイメージで、担当する8時間をフルに使った僕なりの「10年間のベスト集」と言えるようなものを組み上げてみました。ライブラリーを丁寧に見直して1000曲以上をピックアップ、その上で流れにフィットする116曲を厳選。当然普段よりも濃い仕上がりに。これまでの10年と、これからの10年に思いを馳せながらの作業は、とても楽しいものでした。その中でも特に一枚を挙げるとするならば、やはりこのミュリエル・ウインストン唯一のアルバムしかありません。慈しみと母性が溢れる「Children's Trilogy」。黄昏のジャケットも音に寄り添う。ピアノは、スタンリー・カウエル。
Bar Music店主の中村智昭も選曲に参加〜解説を寄稿した「usen for Cafe Apres-midi」の10周年を祝うコンピレイション『Haven't We Met?』。ハンドメイドのパッケージも好評、お店限定のスペシャル特典CD-R「usen for Cafe Apres-midi Monday Classics 2001-2011」をご用意してお待ちしております。
Benny Sings / Make A Rainbow
コンピレイション『Haven't We Met?』のライナーノーツより
これまでの音楽~またはポップ・ミュージックの歴史において、突出したメロディーや印象的なコード進行というものは、もしかするともう世に生み尽くされているのかもしれない──なんて途方もない想いに駆られてしまうことがある(何故だろう)。キンドレッド・スピリッツというオランダはアムステルダムに拠点を置くレーベルからアナログ・リリースされた、ベニー・シングスの1stアルバム『Champagne People』、そしてジャザノヴァのソナー・コレクティヴからワールド・リリースされた2ndアルバム『I Love You Benny Sings Live At The Bimhuis』を立て続けに手にしたとき、それは嬉しくも思い違いだったことにはっきりと気づかされた。それぞれのアルバムのラストをアフター・アワーズ的に飾るワルツ・ソングは音楽の持つ豊かさや穏やかさ、ピュアな愛のようなもので溢れ、確実に僕の中の何かを満たしたのだ。
当時まだ新興の小さなレーベルであったドックス・レコーズからデビューして間もなかったベニー・シングスを、真っ先に強い信念を持って世界にプレゼンしたキンドレッド・スピリッツに『Soul Purpose Is To Move You』という、名曲「Champagne People」を収録したコンピレイション・アルバムがある。これは、その作品におけるレーベルからのメッセージである。
「僕たちは、ファースト・フード化してゆくポップ・ミュージックに抵抗するためにここにいる。たとえば身体に良いものを食べたり、旅をしたり、本を読んだりするのと同じように、ひとは素晴しい音楽に出会うことで、もっと質の良い人生を送ることができるはず」
この文章は、つい先日届けられたばかりのベニー・シングス最新作『Art』のライナーノーツを執筆した際にも紹介させてもらったのだが、USENチャンネル「D/H-3 usen for Cafe Apres-midi」の放送開始10周年を祝う『Haven't We Met』にこそ、より相応しいのかもしれない。