USENホームページ〜選曲リスト
http://music.usen.com/modules/D/content0003.html
「Autumn Selection 2011 Monday 18:00~26:00」の一枚
「Autumn Selection 2011 Monday 18:00~26:00」の一枚
Build An Ark / The Stars Are Singing Too~10 Years Anniversary Special 2001-2011~
カルロス・ニーニョの呼びかけに応えたミュージシャンらによって結成された、ビルド・アン・アークの10周年を祝う好企画盤がリリースされました。スタジオ録音未発表音源やレアなリミックスなどがずらり並ぶ中、特に心を奪われてしまったのは名盤ファースト『Peace With Every Step』に収録されていた「Mother」のネイト・モーガンによるローズ・ピアノ・ソロ「Mother(Nate Morgan Solo Rhodes)」。2分足らずのシンプルな演奏の音像には慈しみの情感が溢れ、こぼれています。ビルド・アン・アーク誕生のきっかけとなった、アメリカでの9.11同時多発テロから10年。そしてあの3.11東日本大震災を経た今、僕たちの目の前には、新たな途方もない問題が。物事を慎重に精査し、誠実に、愛を持って生きていかなければなりません。
Bar Music店主の中村智昭も選曲に参加〜解説を寄稿した「usen for Cafe Apres-midi」の10周年を祝うコンピレイション『Haven't We Met?』。ハンドメイドのパッケージも好評、お店限定のスペシャル特典CD-R「usen for Cafe Apres-midi Monday Classics 2001-2011」をご用意してお待ちしております。
Benny Sings / Make A Rainbow
コンピレイション『Haven't We Met?』のライナーノーツより
これまでの音楽~またはポップ・ミュージックの歴史において、突出したメロディーや印象的なコード進行というものは、もしかするともう世に生み尽くされているのかもしれない──なんて途方もない想いに駆られてしまうことがある(何故だろう)。キンドレッド・スピリッツというオランダはアムステルダムに拠点を置くレーベルからアナログ・リリースされた、ベニー・シングスの1stアルバム『Champagne People』、そしてジャザノヴァのソナー・コレクティヴからワールド・リリースされた2ndアルバム『I Love You Benny Sings Live At The Bimhuis』を立て続けに手にしたとき、それは嬉しくも思い違いだったことにはっきりと気づかされた。それぞれのアルバムのラストをアフター・アワーズ的に飾るワルツ・ソングは音楽の持つ豊かさや穏やかさ、ピュアな愛のようなもので溢れ、確実に僕の中の何かを満たしたのだ。
当時まだ新興の小さなレーベルであったドックス・レコーズからデビューして間もなかったベニー・シングスを、真っ先に強い信念を持って世界にプレゼンしたキンドレッド・スピリッツに『Soul Purpose Is To Move You』という、名曲「Champagne People」を収録したコンピレイション・アルバムがある。これは、その作品におけるレーベルからのメッセージである。
「僕たちは、ファースト・フード化してゆくポップ・ミュージックに抵抗するためにここにいる。たとえば身体に良いものを食べたり、旅をしたり、本を読んだりするのと同じように、ひとは素晴しい音楽に出会うことで、もっと質の良い人生を送ることができるはず」
この文章は、つい先日届けられたばかりのベニー・シングス最新作『Art』のライナーノーツを執筆した際にも紹介させてもらったのだが、USENチャンネル「D/H-3 usen for Cafe Apres-midi」の放送開始10周年を祝う『Haven't We Met』にこそ、より相応しいのかもしれない。
「Make A Rainbow」──セレクターとして、音楽と共にある皆さんの未来に美しい虹がかかることを祈りながら。
2011年 5月 中村智昭
0 件のコメント:
コメントを投稿