2022年10月8日土曜日

10/12 Wed.「MUSICAÄNOSSA presents ANTHOLOGY VOL.1 ECM編」[DJ]廣瀬 大輔(ELLA RECORDS)・中村 智昭(MUSICAÄNOSSA / Bar Music Shibuya,Tokyo)

MUSICAÄNOSSA presents ANTHOLOGY <anthos+logia> VOL.1 <<ECM編>>>
「廣瀬大輔が特定のカテゴリーを設定して、それはアーティストであったりレーベルであったりジャンルであったり、Bar Musicのサイトに短いコラムと少しのディスクレヴュー、DJではスタートの20時から21時までの1時間をそのテーマでレコードをプレイします。第1回はECM。その後は、店主中村智昭と廣瀬が23時まで」
廣瀬 大輔(ELLA RECORDS)


10/12 Wed.
MUSICAÄNOSSA presents ANTHOLOGY <anthos+logia> VOL.1 <<ECM編>>
[DJ]廣瀬 大輔(ELLA RECORDS)・中村 智昭(MUSICAÄNOSSA / Bar Music Shibuya,Tokyo) 
[at]渋谷 Bar Music 
[info]03.6416.3307
http://barmusic-coffee.blogspot.com 
※17:00オープン、着席の通常営業スタイルで20:00~23:00の開催です。
※新型コロナウイルス禍以前の5割程度の人数で入店を制限しておりますので、事前予約またはご来店直前にでもお電話でテーブルをおさえていただけますと幸いです。  
※検温、消毒、マスク着用、お客様着席時のグループ別ソーシャルディスタンスの確保、換気など、ウイルス対策へのご理解とご協力をお願いいたします。
※Music Charge + Entrance Fee ¥1000
 
 
 

廣瀬 大輔(Ella Records)
ヴィンテージ・レコード・ディーラー&ショップElla Records所属。かつてはDANCE MUSIC RECORDのジャズ・バイヤーとして新譜を供給し、ライターとして“Jazz Next Standard”シリーズや「Jazz MeetsEurope」、「500 Club Jazz Classics」、“Jazz The New Chapter”シリーズ等の書誌や多くのライナーノーツ等へ新旧問わずジャズ/クラブ・ミュージックに関する執筆/寄稿、またDJ/選曲活動を行う。

●コラム by 廣瀬 大輔(Ella Records)
【ANTHOLOGY <anthos+logia> VOL.1 <<ECM編>>】

<ECM>というレーベルが好きかと問われると1つ自分の中で引っかかる。

引っかかるもの。それはとても私的な理由のため明確で、Steve KuhnのBuddah系列期に残された2枚のアルバム『Steve Kuhn』、『Live In New York』が好きだ、という事に端を発する。これに尽きる。71年のセルフ・タイトル・アルバムでのローファイなサウンドと朴訥に歌われる声。緊張感の中にあるラフでぬくもりを感じさせる音は<ECM>と対極にあると言っていい。Gary McFarlandによるプロデュース。自分はこの路線のSteve Kuhnをもっと聴きたいのだ。しかし、その後、KuhnはECMへと移ってしまう。

ECMはオウナーのManfred Eicherがサウンドからジャケットのデザインまでをプロデュースしている。アート・カヴァーを集めた写真集はすぐさまプレミアが付き、その独特のサウンドは広く支持されている。分かる。しかし、それはアーティストの個性よりも全てがECMサウンドに優先されてしまうのではないか。それはオーヴァー・プロデュースなのではないのか。あの時のSteve Kuhnを返してくれ、と。誰が?誰に?せめてあと1枚だけでも。

Steve Kuhnが68年にMPSに残した『Watch What Happens!』というアルバムがある。後にECMのジャズ北欧組を代表することになるPalle Danielsson、Jon Christensenと組んだピアノ・トリオでの録音。<ECM>設立前に録られたプレ<ECM>的サウンド。このアルバムを聴けば、こんな世迷い言など雲散霧消するはずである。だが、そうはならない自分がいるから今この文章を書いている。そう、駄々である。

そんなECMに対して付かず離れずな感想を書き綴りつつ、何だかんだと手元には100枚ほどのECMのレコードがある。何だかんだと好きなのである。本当にめんどくさい。先の口上も単にBuddah期のSteve Kuhnのアルバムが好き過ぎるだけの話と片付けてもいい。そんな感じで20時から21時までの1時間は廣瀬が全てECMのレコードだけでDJプレイします。ECM。いかがでしょうか。聴きに来ていただければ嬉しいです。

【ディスク・レヴュー】


・Meredith Monk / Book Of Days
前衛ヴォイス・パフォーマーMeredith Monkによる映画『Book Of The Day』のサウンド・トラック。Steve ReichグループのピアニストNurit Tillesが参加し、彼女がキーボードやダルシマーを担当した室内楽風の楽曲もありつつ、殆どがMeredith Monk自身、もしくは彼女が率いるヴォーカル・アンサンブルによる楽曲。神秘的かつ陰りを持った中世ヨーロッパ的な世界を想起。




・Bengt Berger / Bitter Funeral Beer 
スウェーデンのパーカッショニストBengt Berger率いるグループ、Bitter Funeral Beer Band。12人のスウェーデンのミュージシャンにDon Cherryをゲストに迎えて、西アフリカの音楽の影響を強く受けた音楽スタイル。かつてBengt Bergerもスウェーデン滞在中のDon Cherryのアルバム『Organic Music Society』、『Eternal Now』に参加。ECMの中で最もアフリカン・エスニックなアルバムの1つ。


 
 
 
・Bill Frisell / In Line
ニューヨークのダウンタウン・シーンのメンバーとしてJohn Zornと長くパートナーシップを組むギタリストBill Frisellのファースト・アルバム。ECMでの初レコーディングはEberhard Weberの『Fluid Rustle』への参加。Paul Motianの『Psalm』にPat Methenyの代役として迎えられて以来、Motianとも長らく共演。一部の楽曲にベーシストのArild Andersenを迎えたギター多重録音作。


  
・Julian Priester Pepo Mtoto / Love, Love
Sun Ra楽団の花形トロンボーン奏者。Herbie Hancockグループ在籍時にメンバーが名前をスワヒリ語でクレジットする習慣があり、そこから”Pepo Mtoto”とも名乗るように。意味は”悪魔の子”。ECM作品としては珍しいドープなブレイクビーツのエレクトリック・ジャズ・ファンクの「Love, Love」他、フリー・ジャズ、エレクトリック・ジャズ、スピリチュアル・ジャズ作品。
 
 
 

・AM 4, Wolfgang Puschnig, Linda Sharrock, Uli Scherer / ... And She Answered:
トリオ・ユニットであるAM 4は、このアルバム1枚をECMに残すのみ。ただ、それぞれのコラボレーションは多く、オーストリアのサックス奏者Wolfgang PuschnigとピアニストUli Schererは、Vienna Art Orchestraの主要メンバーでもある。ヴォーカリストのLinda SharrockはSonny Sharrockの元妻であり、Sonnyと共に残した『Black Woman』が代表作。Wolfgang Puschnigは、ホジャック(葦の楽器)や尺八もプレイ。

 

中村 智昭(MUSICAÄNOSSA / Bar Music Shibuya,Tokyo)
1977年広島生まれ。渋谷「バー・ミュージック」店主。1995年にDJをスタートし、1999年より「ムジカノッサ」を主宰。選曲家としてユニバーサル/ビクター/インパートメント/キング/コアポート/ディスクユニオンより複数枚のコンピレイションCDやヴァイナルをリリース、ディスク・ガイドの企画・監修も手掛けると共にUSENやFM各局にも選曲を提供。ジョン・コルトレーンのトリビュート・コ ンピレイション『Dear J.C.』(ユニバーサル)、ベニー・シングス『The Best Of Benny Sings』(ビクター)のライナーノーツや、「Latina」誌、HMV発行の「Quiet Corner」、リットーミュージック「Jazz Next Standerd」シリーズへの寄稿など。CALMベスト・アルバム『Mellowdies for Memories』(ラストラム)の選曲とその解説も担当している。また、渋谷「カフェ・アプレミディ」にて1999年のオープンから2009年までの10年間店長も務めた。2010年渋谷に「バー・ミュージック」をオープン。2013年にはレーベル「ムジカノッサ・グリプス」をスタート。近年はスモール・サークル・オブ・フレンズ/STUDIO75とのコラボレーションも活発化している。晩年のテリー・キャリアーのCDオンリー音源から厳選し世界初ヴァイナル化した『Tokyo Moon』や、コンピレーションCD+7”EP『Bar Music』シリーズも好評。
 

 

 

 

〜Charles Stepney『Step On Step』入荷のお知らせ 〜

MUSICAÄNOSSA Top Reccomend ~ D/H3 usen for Cafe Apres-midi 2022 Early Autumn Selection(放送期間 8月29日~10月9日 毎週月曜18:00~26:00) 

 

 

Charles Stepney『Step On Step』(2022年 / International Anthem)
もしも貴方がチャールズ・ステップニー(1931-1976)という名前を知らないとしても、キーファーやジョン・キャロル・カービーといった現行シーンの先端を行くアーティストたちにいま心を奪われているならば、この作品は絶対に耳にすべきだ。時を遡ること約50年前の1970年前後、シカゴのサウスサイドにあったという自宅の地下スタジオにてデモ的に多重録音されたこれらの楽曲は、間違いなく彼らが行き着こうとする場所に先んじている。
 
そして、もしも貴方がミニー・リパートンやテリー・キャリアー、またはアース・ウィンド&ファイアーという名前を知っているならば、やはりこの作品を絶対に耳にすべきだ。なぜならば彼らはその活動の最初期に、チャールズ・ステップニーという編・作曲家/プロデューサーの手によって世に送り出されたからだ。また、同時期のラムゼイ・ルイスやデルズといったすでに十分キャリアを重ねていた者たちも同様に、チャールズ・ステップニーのスコアと指揮に導かれ未踏の境地へと達していた。
 
そうしたことを踏まえて『Step On Step』と向き合うとき、僕たちはついに偉大な音楽家の核心に迫ることができる。ニュー・ロータリー・コネクションに提供した稀代の名曲「I Am The Black Gold Of The Sun」のプロトタイプ「Black Gold」の鈍く、それでいてあまりに眩しい輝きはいったいどうだろう。僕は、胸の高鳴りを抑えることができない。
 
今回の初秋セレクションでは、リズムボックスに導かれる柔らかな音像からシュギー・オーティス「Pling!」をすぐに連想してしまった「Roadtrip」や、後にアース・ウィンド&ファイアーが歌い大ヒット曲となる「That's The Way Of The World」を選んだ。現代のポピュラー音楽史におけるミッシングリンクとも言える、これほどまでに貴重で尊い音源のマスターテープが、長期の間にほぼ劣化もせず無事に残されていた奇跡に感謝する。(中村 智昭)
 
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曜日ごとの営業時間のご案内
 
【月曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 17:00 ~ Midnight 

 

【火曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 17:00 ~ Midnight/お昼のカレーとパスタの店「ミュージック」11:00 ~ 15:00(L.O.14:00)

 

【水曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 17:00 ~ Midnight/お昼のカレーとパスタの店「ミュージック」11:00 ~ 15:00(L.O.14:00)

 

【木曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 17:00 ~ Midnight/お昼のカレーとパスタの店「ミュージック」11:00 ~ 15:00(L.O.14:00)

【金曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 17:00 ~ Early Morning

 

【土曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 17:00 ~ Midnight

 

【日曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 15:00 ~ 24:00




コーヒーとお酒、そして音楽。
Bar Music Shibuya,Tokyo
バー・ミュージック  
東京都渋谷区道玄坂1-6-7-5F 
Tel.03.6416.3307
Open / 17:00~Midnight (金曜日は翌早朝まで、日曜日は15:00オープン)
Close / 不定休
厳選のCDとレコードも販売。




お昼のカレーとパスタの店「ミュージック」
東京都渋谷区道玄坂1-6-7-5F 
Open / 毎週火・水・木曜日 11:00~15:00
(L.O.14:00) 
厳選のCDとレコードも販売。
https://www.instagram.com/music_lunch_shibuya


 
 
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