2022年12月2日金曜日

 

MUSICAÄNOSSA presents ANTHOLOGY <anthos+logia> VOL.2 <<JAZZ WALTZ編>>>
「廣瀬大輔が特定のカテゴリーを設定して、それはアーティストであったりレーベルであったりジャンルであったり、Bar Musicのサイトに短いコラムと少しのディスクレヴュー、DJではスタートの20時から21時までの1時間をそのテーマでレコードをプレイします。第2回は<<ジャズ・ワルツ>>。その後は、店主中村智昭と廣瀬が23時まで」廣瀬 大輔(ELLA RECORDS)



12/7 Wed.
MUSICAÄNOSSA presents ANTHOLOGY <anthos+logia> VOL.2 <<JAZZ WALTZ>>
[DJ]廣瀬 大輔(ELLA RECORDS)・中村 智昭(MUSICAÄNOSSA / Bar Music Shibuya,Tokyo) 
[at]渋谷 Bar Music 
[info]03.6416.3307
http://barmusic-coffee.blogspot.com 
※18:00オープン、着席の通常営業スタイルで20:00~23:00の開催です。
※新型コロナウイルス禍以前の5割程度の人数で入店を制限しておりますので、事前予約またはご来店直前にでもお電話でテーブルをおさえていただけますと幸いです。  
※検温、消毒、マスク着用、お客様着席時のグループ別ソーシャルディスタンスの確保、換気など、ウイルス対策へのご理解とご協力をお願いいたします。
※Music Charge + Entrance Fee ¥1000
 
 
 

廣瀬 大輔(Ella Records)
ヴィンテージ・レコード・ディーラー&ショップElla Records所属。かつてはDANCE MUSIC RECORDのジャズ・バイヤーとして新譜を供給し、ライターとして“Jazz Next Standard”シリーズや「Jazz MeetsEurope」、「500 Club Jazz Classics」、“Jazz The New Chapter”シリーズ等の書誌や多くのライナーノーツ等へ新旧問わずジャズ/クラブ・ミュージックに関する執筆/寄稿、またDJ/選曲活動を行う。

●コラム by 廣瀬 大輔(Ella Records)
12月のテーマとして心に秘めていた<<Ogun>>アンソロジーはそのまま秘めたままとして、<<ジャズ・ワルツ>>を。ジャズ・ワルツの魅力。

ジャズ・ワルツの魅力。ワルツはどうにも人へ贈りたくなるもののようだ。Bill Evansの「Waltz For Debby」は広く知られている楽曲で、彼の姪に捧げられた。姪のDebby曰く「幼い頃、よく目の前で弾いてくれた」とのこと。Bill Evansには「B Minor Waltz For Ellaine」という楽曲もある。こちらは追悼曲。他にもLee Morganの「A Waltz For Fran」、Walter Bishop作曲のJoe Hendersonの「Waltz For Zweetie」、Sahib Shihabの「Waltz For Seth」、Mike Westbrookの「Waltz For Joanna」などがパッと思いつく。これらだけだと先駆の「Wlatz For Debby」マナーの継承とも考えられるが、Bobby Hutchersonが愛息に捧げた「Little B's Poem」なんかもワルツ・タイムだ。

使用する楽器、テンポ、さまざまな要因を伴ってが前提ではあるが、ワルツはロマンティックな雰囲気によく似合う。人が歩くリズムに合わせたのが2拍子や4拍子であれば、ワルツの3拍子はそこにひとつ余分な動作が加わる。飛んだり、回ったり、止まったり。ゆえに円舞曲として用いられてきた。優雅さ。例えば歩くといったような人間的な動作の反復のリズムから逸脱したところにワルツの魅力があるのだろうか。三位一体の考えからワルツは古くから讃美歌にも使用されてきた。そのようなノスタルジーがロマンティックな要素を導くのか。ジャズの楽曲としてもカヴァーされる、それこそBill Evansたちが、ディズニー映画で用いられた楽曲「Alice In Wonderland」や「Someday My Prince Will Come」、そして日本でも童謡や子守唄に3拍子の楽曲も多い。ワルツ・タイムは子供たちにも優しく語り掛けるのか。DebbyやLittle Bにも。

音楽そのものの感情的性格、音楽による聴く者の感情喚起について色々と資料はあるが、では感情喚起の「なぜ」といったところはいわゆるハード・プロブレムの一つなのだろう。答えは出ない。

ジャズ・ワルツの魅力。広くクリスマス・シーズンの12月ということでこのテーマとなりました。20時から21時までの1時間は廣瀬が全てジャズ・ワルツの楽曲のレコードだけでDJプレイします。ジャズ・ワルツ。いかがでしょうか。ロマンティックなものだけではないと思いますが。聴きに来ていただければ嬉しいです。



【ディスク・レヴュー】









Chuck Mangione Quintet / "The Little Prince" from 『Recuerdo』
Cannonball Adderleyに見出されて、弟のピアニストGapと共にThe Mangione Brothers Sextet (The Jazz Brothers)として3枚のアルバムをRiversideに残した後にリリースされた氏のファースト・リーダー・アルバム。『星の王子様』をモチーフにした自作のアンダーレイテッドながらも最高のロマンティック系譜のジャズ・ワルツ。





Dusko Gojkovic / "Old Fisherman's Daughter" from 『Slavic Mood』
Miles Davisの「Someday My Price Will Come」よろしくのミュートで優しく奏でられるDusko Goykovichの代表曲。自分の知っている限りで、本曲は4回録音されており、『Swinging Macedonia』、『Slavic Mood』、『Ten To Two Blues』、そして『Jazz Am Rhein』というライヴ・コンピには「The Fisherman's Daughter」というタイトルで収録。



 
 
 
James Clay / "Pavanne" from 『A Double Dose Of Soul』
本アルバムでJames Clayはテナーとフルートをプレイしますが、テナーには Nat Adderleyを迎えた2管として、フルートには Victor Feldmanのヴァイブをフィーチャー。Feldmanは2曲を提供し、「New Delhi」と「Pavanne」の2曲のモード・ジャズのうち「Pavanne」がワルツ・ナンバー。後にPacific Jazzからの自身作『The Venezuela Joropo』でもセルフ・カヴァー。




  
Les McCann & The Jazz Crusaders / "Damascus" from 『Jazz Waltz』
ジャズ・ワルツだけにこだわったアルバムというのも幾つか存在する。その代表であり先駆はMax Roachの『Jazz In 3/4 Time』だろう。他に思いつくものではCarl Drevo Und Die Clarke-Boland Big Bandの『Swing, Waltz, Swing』と本作。Les McCannと若きThe Jazz Crusadersによるモード & ワルツ・ジャズのみを収めたアルバム。

 
 
 


Clarke Boland Sextett / "Wives And Lovers" from 『Music For The Small Hours』
ジャズ・ワルツとして数多く取り上げられている楽曲の1つとしてBurt BacharachとHal Davidコンビによる「Wives And Lovers」がある。歌モノは言わずもがな、Oliver Nelsonによるアレンジが最高なJimmy Smith、オリジナルなスティック捌きのRoy Haynes、Wes Montgomery、Dieter Reith Trio、そしてClarke Boland Sextett。
 

中村 智昭(MUSICAÄNOSSA / Bar Music Shibuya,Tokyo)
1977年広島生まれ。渋谷「バー・ミュージック」店主。1995年にDJをスタートし、1999年より「ムジカノッサ」を主宰。選曲家としてユニバーサル/ビクター/インパートメント/キング/コアポート/ディスクユニオンより複数枚のコンピレイションCDやヴァイナルをリリース、ディスク・ガイドの企画・監修も手掛けると共にUSENやFM各局にも選曲を提供。ジョン・コルトレーンのトリビュート・コ ンピレイション『Dear J.C.』(ユニバーサル)、ベニー・シングス『The Best Of Benny Sings』(ビクター)のライナーノーツや、「Latina」誌、HMV発行の「Quiet Corner」、リットーミュージック「Jazz Next Standerd」シリーズへの寄稿など。CALMベスト・アルバム『Mellowdies for Memories』(ラストラム)の選曲とその解説も担当している。また、渋谷「カフェ・アプレミディ」にて1999年のオープンから2009年までの10年間店長も務めた。2010年渋谷に「バー・ミュージック」をオープン。2013年にはレーベル「ムジカノッサ・グリプス」をスタート。近年はスモール・サークル・オブ・フレンズ/STUDIO75とのコラボレーションも活発化している。晩年のテリー・キャリアーのCDオンリー音源から厳選し世界初ヴァイナル化した『Tokyo Moon』や、コンピレーションCD+7”EP『Bar Music』シリーズも好評。
 

 

 

4年前に初アナログ化音源を中心にムジカノッサで組んだコンピレーション『Tokyo Moon』の2ndプレス・エディションを、12月3日にリリースします。「Truth In Tears 2」を追加収録、"Moon White"カラー盤で特製ポスター付きの豪華仕様です!中村 智昭

 
 

 

〜Charles Stepney『Step On Step』入荷のお知らせ 〜

MUSICAÄNOSSA Top Reccomend ~ D/H3 usen for Cafe Apres-midi 2022 Early Autumn Selection(放送期間 8月29日~10月9日 毎週月曜18:00~26:00) 

 

 

Charles Stepney『Step On Step』(2022年 / International Anthem)
もしも貴方がチャールズ・ステップニー(1931-1976)という名前を知らないとしても、キーファーやジョン・キャロル・カービーといった現行シーンの先端を行くアーティストたちにいま心を奪われているならば、この作品は絶対に耳にすべきだ。時を遡ること約50年前の1970年前後、シカゴのサウスサイドにあったという自宅の地下スタジオにてデモ的に多重録音されたこれらの楽曲は、間違いなく彼らが行き着こうとする場所に先んじている。
 
そして、もしも貴方がミニー・リパートンやテリー・キャリアー、またはアース・ウィンド&ファイアーという名前を知っているならば、やはりこの作品を絶対に耳にすべきだ。なぜならば彼らはその活動の最初期に、チャールズ・ステップニーという編・作曲家/プロデューサーの手によって世に送り出されたからだ。また、同時期のラムゼイ・ルイスやデルズといったすでに十分キャリアを重ねていた者たちも同様に、チャールズ・ステップニーのスコアと指揮に導かれ未踏の境地へと達していた。
 
そうしたことを踏まえて『Step On Step』と向き合うとき、僕たちはついに偉大な音楽家の核心に迫ることができる。ニュー・ロータリー・コネクションに提供した稀代の名曲「I Am The Black Gold Of The Sun」のプロトタイプ「Black Gold」の鈍く、それでいてあまりに眩しい輝きはいったいどうだろう。僕は、胸の高鳴りを抑えることができない。
 
今回の初秋セレクションでは、リズムボックスに導かれる柔らかな音像からシュギー・オーティス「Pling!」をすぐに連想してしまった「Roadtrip」や、後にアース・ウィンド&ファイアーが歌い大ヒット曲となる「That's The Way Of The World」を選んだ。現代のポピュラー音楽史におけるミッシングリンクとも言える、これほどまでに貴重で尊い音源のマスターテープが、長期の間にほぼ劣化もせず無事に残されていた奇跡に感謝する。(中村 智昭)
 
通販はこちら!→https://barmusic.buyshop.jp

   

 

青野賢一さんの書籍「音楽とファッション 6つの現代的視点」をWeb ShopにUPいたしました! フアン・フェルミン・フェラリス『Jogo』、Small Circle of Friends『Cell』LPも在庫ございます!→https://barmusic.buyshop.jp

 

 

 
曜日ごとの営業時間のご案内
 
【月曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 18:00 ~ Midnight 

 

【火曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 18:00 ~ Midnight/お昼のカレーとパスタの店「ミュージック」11:00 ~ 15:00(L.O.14:00)

 

【水曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 18:00 ~ Midnight/お昼のカレーとパスタの店「ミュージック」11:00 ~ 15:00(L.O.14:00)

 

【木曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 18:00 ~ Midnight/お昼のカレーとパスタの店「ミュージック」11:00 ~ 15:00(L.O.14:00)

【金曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 18:00 ~ Early Morning

 

【土曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 18:00 ~ Midnight

 

【日曜日】Bar Music Shibuya,Tokyo 15:00 ~ 24:00




コーヒーとお酒、そして音楽。
Bar Music Shibuya,Tokyo
バー・ミュージック  
東京都渋谷区道玄坂1-6-7-5F 
Tel.03.6416.3307
Open / 18:00~Midnight (金曜日は翌早朝まで、日曜日は15:00オープン)
Close / 不定休
厳選のCDとレコードも販売。




お昼のカレーとパスタの店「ミュージック」
東京都渋谷区道玄坂1-6-7-5F 
Open / 毎週火・水・木曜日 11:00~15:00
(L.O.14:00) 
厳選のCDとレコードも販売。
https://www.instagram.com/music_lunch_shibuya


 
 
CD/LP/EP、Tシャツなどを通販いただけるBar Music Web Shop→https://barmusic.buyshop.jp
 

0 件のコメント:

コメントを投稿