2023年4月2日日曜日

4/12 Wed.「MUSICAÄNOSSA presents ANTHOLOGY 」[DJ]廣瀬 大輔(ELLA RECORDS)

 

MUSICAÄNOSSA presents ANTHOLOGY <anthos+logia> VOL.4 <<JOE HENDERSON編>>>

「廣瀬大輔が特定のカテゴリーを設定して、それはアーティストであったりレーベルであったりジャンルであったり、Bar Musicのサイトに短いコラムと少しのディスクレヴュー、DJではスタートの20時から21時までの1時間をそのテーマでレコードをプレイします。第4回のテーマはJOE HENDERSON」(廣瀬 大輔 ELLA RECORDS)

4/12 Wed.
MUSICAÄNOSSA presents ANTHOLOGY <anthos+logia> VOL.4 <<JOE HENDERSON編>>>
[DJ]廣瀬 大輔(ELLA RECORDS)
[at]渋谷 Bar Music 
[info]03.6416.3307
http://barmusic-coffee.blogspot.com 
※18:00オープン、着席の通常営業スタイルで20:00~23:00の開催です。
※新型コロナウイルス禍以前より入店
人数を制限しておりますので、事前予約またはご来店直前にでもお電話でテーブルをおさえていただけますと幸いです。  
※検温、消毒、お客様着席時のグループ別ソーシャルディスタンスの確保、換気など、ウイルス対策へのご理解とご協力をお願いいたします。
※Music Charge + Entrance Fee ¥1000

  

廣瀬 大輔(Ella Records)
ヴィンテージ・レコード・ディーラー&ショップElla Records所属。かつてはDANCE MUSIC RECORDのジャズ・バイヤーとして新譜を供給し、ライターとして“Jazz Next Standard”シリーズや「Jazz MeetsEurope」、「500 Club Jazz Classics」、“Jazz The New Chapter”シリーズ等の書誌や多くのライナーノーツ等へ新旧問わずジャズ/クラブ・ミュージックに関する執筆/寄稿、またDJ/選曲活動を行う。
 
 
●コラム by 廣瀬 大輔(Ella Records)
 趣味ごとで「一番好きな〇〇は?」。なんていう質問は基本的に野暮なことが多い。一番なんて。英語の「One of the Most~」という言い回しは日本語表現からすると違和感を感じるが、こんな質問の返答には便利かもしれない。ちなみに自分は「一番好きな漫画は?」ときかれたら『青い花』、もしくは『ヨコハマ買い出し紀行』と答えることにしている。やはり一番を決めるのは難しい。英語なら一番を複数答えられる。
 
 もう10年以上前、20年は経っていないくらい前に、今は大阪で働いている彼に「ジャズ・ミュージシャンで誰が一番好きか」と問われたことがある。向こうは覚えていないだろう。まぁ野暮ではあるのだが、ただ同好の士との初対面での会話を膨らませるきっかけとしては有効だ。彼の話を聞くと仕事上そのような質問をされる機会が結構あるようで、「ウェイン・ショーター」と応じるとのことだった。これには少し意外で「マイケル・ギャリック」あたりの名前が出てくると思ったが、確かに話は弾まないかもしれない。その時、ならば自分は「ジョー・ヘンダーソン」と答えた。 

 Joe HendersonにはColtraneの後継者と見なされていると思われるような時期があった。McCoy TynerがColtraneの元を離れての1作目に録音したBlue Noteの『The Real McCoy』では、ドラマーのElvin Jonesも参加し、Hendersonがワンホーンとして立てられた。これはMcCoyの提案かAlfred Lionの提案かは分からないが、フリー傾倒前のColtraneのサウンドに近しいアーティストとして迎えられたのだろうと想像する。McCoyがそれ以前のHenderson作品に参加していたこともあるだろう。そして、Alice Coltraneの『Ptah, The El Daoud』では、Pharoah SandersとJoe Hendersonの2管クインテットとして、タイトルにもその名がクレジットされた。Pharoah Sandersの役目はPharoah Sandersとしてのプレイであったが、Hendersonに求められた役割は何であったか。これについてAliceの直接の言及がある。「Joe Hendersonはより知的な側面があり、Pharoahはより抽象的で、より超自然的なのです」。2人のオリジナリティーを併せてColtraneということなのか。アヴァンギャルドなプレイも得意とする彼だが、この後もAliceの言う通りとするべきか、フリーに没入することはなかった。 

 また、70年代以降においても彼はコマーシャルなフュージョン然としたスタイルに向かうこともなかった。強いて言えば、録音も残さないほどの短期間のみのBlood Sweat & Tearsへの参加くらいか。Alice Coltraneをフィーチャーした『The Elements』やラテン・ジャズに接近した『Relaxin' At Camarillo』などは広義のフュージョン作品ではあるのだが、あくまで彼のこれまでの系譜の内で大きなスタイルの変更とは感じない。Wayne ShorterのWeather ReportやOrnett ColemanのPrime Timeとも違う (OrnettのPrime Timeがコマーシャルを狙ったものかどうかは別の場所に議論を移そう)。例えばPatrick Gleesonを迎えた『Black Narcissus』でもGleesonのシンセを彼の側へ寄せて、波打つ美しいモーダル・ジャズとしている。 

  Joe HendersonについてのWikipedia英語版の記事にさらっと「adaptability and eclecticism」という記述があった。「(彼の)適応力と折衷主義~云々」。なるほど、長所を取り入れはするが融合はしない。器用な無骨さ。ポストモダン。これは言葉遊び。そんなところに彼に個人的な人間的興味を感じ、冒頭の野暮な質問に対して自分は「ジョー・ヘンダーソン」と答えることにしている。それか「スティーヴ・キューン」。
 
 
 
 【ディスク・レヴュー】by 廣瀬 大輔(Ella Records)
 

 ・Joe Henderson / Inner Urge 
Blue Noteに数多くの作品を残したJoe Hendersonだが、ワンホーン作は本作のみ。バックはMcCoy Tyner、Elvin Jones、Bob Cranshaw。Blue Note期の5枚のリーダー作には、彼のメンターでもあるKenny Dorhamが3作に参加しているが、McCoyも3作にフィーチャーされているのは少し意外かもしれない。 
 
 

 
・Pete La Roca / Basra 
Kenny Dorham作品の他、Lee Morgan、Horace Silver、Grant Greenなど20作近くのBlue Note作品に参加。そしてワンホーンでフィーチャーされたのが、当時のSteve KuhnトリオをバックにしたPete La Roca名義のアルバム『Basra』。まったく個人的なことを言えば、Blue Noteの中で1番好きなアルバムと答えることにしている。「スティーヴ・キューン」。 
 
 


 ・Alice Coltrane Featuring Pharoah Sanders And Joe Henderson / Ptah, The El Daoud 
John Coltrane亡き後のAliceのリーダー作としては『Cosmic Music』含めて4作目。Impulse期のAlice作品で迎えられた管楽器プレイヤーはPharoahとJoe Hendersonしかいない(そもそも管を用いていない作品も多いが)。また彼がフルートを初めて使用したレコーディングでもある。 



・Joe Henderson / Tetragon 
1967年にMilestoneと契約したHendersonは68年に『The Kicker』と『Tetragon』をリリース。『The Kicker』は収録曲も含めてBlue Note作品の延長にあるが『Tetragon』で潮目が変わる。ワンホーンゆえジャズ喫茶名盤的な側面もあり、いわゆるスピリチュアル・ジャズの硬派さも兼ね揃え、3作目の『Power To The People』から彼の社会的意識が前面に現れる。
 
 


 ・Woody Shaw / In The Beginning 
Woody ShawとJoe Hendersonとの共作はLarry YoungのBlue Note作『Unity』に遡る。Milestone期、Muse期とそれぞれの客演も豊富だが、レコーディングとしては本作が最後。そして本作にはLarry Youngが参加しており、ここではオルガンではなくピアノをとる。Larry YoungのピアノといえばNathan Davis『Happy Girl』。そこでWoody Shawは「Zoltan」を提供。そして「Zoltan」はLarry Youngの『Unity』でも取り上げられた(円環)。

 


【初2LP化!】V.A.『Hydeout Productions 2nd Collection』
 
Nujabes 命日の2月26日、店頭入荷!

〜以下、メーカー・インフォメーションより〜
現代の音楽業界全体の流れとは別に、宣伝活動を行わず純粋に音=作品のリリースのみでリスナーから大きな支持を獲得した稀有のインディペンデント・レーベル「Hydeout Productions」のレーベルのコレクション・アルバム第2弾「2nd Collection」が2LPでリリース。

それは、Nujabesのアルバム『Metaphorical Music』『Modal Soul』と平行して、よりレンジの広い作品・人選で綴られたHydeoutのもう一つの世界。
アルバム『Modal soul』から「Reflection Eternal」の別章とも言うべき存在である「Another Reflection」等、レーベルのコレクション・アルバムでありながらNujabesの2nd Album『Modal Soul』以降のレーベルの方向性を示した作品。

Nujabes / Voice Of Autumn
Nujabes / Sky Is Falling
Uyama Hiroto / Waltz For Life Will Born
Clammbon By Nujabes / Imaginary Folklore
Nujabes / Hikari
Nujabes / Counting Stars
Nujabes / Another Reflection
Nujabes / Fly By Night
Pase Rock / Old Light (Voices From 93 Million Miles Away Remix)
Emancipator / With Rainy Eyes
Shing02 / Luv(sic.) Modal Soul Remix
Uyama Hiroto / Windspeaks
DSK / Winter Lane (Nujabes Remix)
Nujabes / After Hanabi -Listen To My Beats

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品番 : HOLP007
フォーマット : 2LP
 

 

4年前に初アナログ化音源を中心にムジカノッサで組んだコンピレーション『Tokyo Moon』の2ndプレス・エディションを、12月3日にリリースしました。「Truth In Tears 2」を追加収録、"Moon White"カラー盤で特製ポスター付きの豪華仕様です!中村 智昭

 
 
 
 

 

 

 


2022年9月24日、敬愛するアメリカのジャズ・サックス奏者ファラオ・サンダースが天国へと向かいました。音楽の深渕とその楽しさを、美しいメロディーと唯一無二のブロウで教えてくれた恩人。本当にありがとう、ファラオ・サンダース。安らかに。(中村 智昭





 

 

 

〜Charles Stepney『Step On Step』入荷のお知らせ 〜

MUSICAÄNOSSA Top Reccomend ~ D/H3 usen for Cafe Apres-midi 2022 Early Autumn Selection(放送期間 8月29日~10月9日 毎週月曜18:00~26:00) 

Charles Stepney『Step On Step』(2022年 / International Anthem)
もしも貴方がチャールズ・ステップニー(1931-1976)という名前を知らないとしても、キーファーやジョン・キャロル・カービーといった現行シーンの先端を行くアーティストたちにいま心を奪われているならば、この作品は絶対に耳にすべきだ。時を遡ること約50年前の1970年前後、シカゴのサウスサイドにあったという自宅の地下スタジオにてデモ的に多重録音されたこれらの楽曲は、間違いなく彼らが行き着こうとする場所に先んじている。
 
そして、もしも貴方がミニー・リパートンやテリー・キャリアー、またはアース・ウィンド&ファイアーという名前を知っているならば、やはりこの作品を絶対に耳にすべきだ。なぜならば彼らはその活動の最初期に、チャールズ・ステップニーという編・作曲家/プロデューサーの手によって世に送り出されたからだ。また、同時期のラムゼイ・ルイスやデルズといったすでに十分キャリアを重ねていた者たちも同様に、チャールズ・ステップニーのスコアと指揮に導かれ未踏の境地へと達していた。
 
そうしたことを踏まえて『Step On Step』と向き合うとき、僕たちはついに偉大な音楽家の核心に迫ることができる。ニュー・ロータリー・コネクションに提供した稀代の名曲「I Am The Black Gold Of The Sun」のプロトタイプ「Black Gold」の鈍く、それでいてあまりに眩しい輝きはいったいどうだろう。僕は、胸の高鳴りを抑えることができない。
 
今回の初秋セレクションでは、リズムボックスに導かれる柔らかな音像からシュギー・オーティス「Pling!」をすぐに連想してしまった「Roadtrip」や、後にアース・ウィンド&ファイアーが歌い大ヒット曲となる「That's The Way Of The World」を選んだ。現代のポピュラー音楽史におけるミッシングリンクとも言える、これほどまでに貴重で尊い音源のマスターテープが、長期の間にほぼ劣化もせず無事に残されていた奇跡に感謝する。Bar Music 店主 中村 智昭
 
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青野賢一さんの書籍「音楽とファッション 6つの現代的視点」をWeb ShopにUPいたしました! Small Circle of Friends『Cell』LPも在庫ございます!→https://barmusic.buyshop.jp

 

 
 
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Bar Music Shibuya,Tokyo
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Tel.03.6416.3307
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