好評の「辛口海老カレー」や「特製チーズケーキ」「コーヒープリン」などもご用意しております。
【Bar Music Shibuya,Tokyo】18:00 ~ Midnight
「廣瀬大輔が特定のカテゴリーを設定して、それはアーティストであったりレーベルであったりジャンルであったり。Bar Musicのサイトにコラムと当日プレイするレコードの中から6枚のディスクレヴュー、そしてDJでは、20時から23時までをテーマに沿ってプレイします。第16回のテーマはSwedish Jazz」(廣瀬大輔)
4/9 Wed.
MUSICAÄNOSSA presents ANTHOLOGY <anthos+logia> VOL.16 Swedish Jazz編
[DJ]廣瀬 大輔(ELLA RECORDS)
[at]渋谷 Bar Music
[info]03.6416.3307
http://barmusic-coffee.blogspot.com
※18:00オープン、着席の通常営業スタイルで20:00~23:00の開催です。
※事前予約またはご来店前にお電話でテーブルをおさえていただけますと幸いです。
※消毒、お客様着席時のグループ別ソーシャルディスタンスの確保、換気など、ウイルス対策へのご理解とご協力をお願いいたします。
※Entrance Fee ¥1000
廣瀬 大輔(Ella Records)
ヴィンテージ・レコード・ディーラー&ショップElla
Records所属。かつてはDANCE MUSIC RECORDのジャズ・バイヤーとして新譜を供給し、ライターとして“Jazz Next
Standard”シリーズや「Jazz MeetsEurope」、「500 Club Jazz Classics」、“Jazz The
New Chapter”シリーズ等の書誌や多くのライナーノーツ等へ新旧問わずジャズ/クラブ・ミュージックに関する執筆/寄稿、またDJ/選曲活動を行う。
【コラム】
「Dear Old Stockholm」
1951年、Stan Getzはスウェーデンに滞在中に熱烈な歓迎を受け、そのお返しとしてスウェーデンの民謡をジャズ・アレンジし「Dear Old Stockholm」と題して披露。Lars GullinやBengt Hallberg等と録音も行い、現地ではMetronome、アメリカではRoyal Roostから同年にリリースされ、後にジャズ・スタンダードとなった。
上記を序文として、その序文の「Dear Old Stockholm」から読み取れるスウェーデンのジャズの特徴を絞ってみたい。
1950年代、アメリカで紹介された他国のジャズの録音物はスウェーデン発のものが最も多いのではないだろうか。冒頭のエピソードにも代表されるように、戦前戦後のスウェーデンには、アメリカから数多くのジャズ・ミュージシャンが来訪し熱狂的に受け入れられ、現地録音盤がスウェーデンのみならずアメリカでもPrestigeやBlue Noteなどからこぞって発売された。そこではアメリカのミュージシャンたちと対等な立場でプレイするスウェーデン・ミュージシャンたちがおり、またスウェーデン・ミュージシャンのみによる作品も多く含まれた。
スウェーデンにおけるジャズは、なぜ他の北欧諸国、ひいてはヨーロッパ諸国と比べても格段に早くその文化が根付いたのか。それは第一次世界大戦、そして第二次世界大戦において、地政学的な状況と中立主義的な政策で甚大な戦禍を免れたことが大きな要因の1つであった。20世紀初頭、世界的にダンスホールや劇場、映画やラジオでラグタイムやディキシー・ジャズが流行した。Duke Ellingtonは1939年にヨーロッパ・ツアーを行いストックホルムにも訪れ、第一次世界大戦での戦禍を免れたスウェーデンではスウィング・ジャズが隆盛を誇った。そして第二次世界大戦で、デンマーク、ノルウェーはドイツに占領され、フィンランドは内戦からのソビエト連邦との戦いで疲弊しきっていたが、スウェーデンでは比較的ではあるが都市文化は継続された。従ってスウェーデンにおけるジャズの早い根付きは、ジャズの文化が戦禍を免れたため途切れなかった、と言い換えても妥当である。
スウェーデンでは特にウェスト・コースト、クール・ジャズが独自のフォークロア的抒情性やクラシカルな響きも取り入れつつ、Lars Gullin、Bengt Hallberg、Rolf Ericson、Arne Domnerus、Ake Perssonといったモダン・ジャズの第一世代によって演奏された。1949年に設立されたジャズ専門レーベルのMetronomeはその発展に大きく寄与した。
「Dear Old Stockholm」が先行するスウェーデンのジャズにおけるフォークロアとの融合は1964年の Jan Johanssonによる『Jazz Pa Svenska』が最も知られる作品だ。本作はスウェーデンで最も売れたジャズ・アルバムとなり、その余波はヨーロッパに渡り、その後もBengt-Arne Wallin、Jan Johansson 、Georg Riedel、Bengt Hallbergによる『Adventures In Jazz And Folklore』など、数多くの同じ志向を持った作品が発表された。ヨーロッパ各国におけるそれぞれの国の民謡/民族音楽とジャズ融合に目を向けると、特に東欧が顕著であった。その文化的比較では東欧が民謡の音階やリズム構造をそのままジャズに持ち込んでいたのに対して、スウェーデンではジャズのハーモニーやフレージングを用いてジャズに民謡を取り入れていたという見方が取れるだろうか。時は経てヨーロッパでのニュー・ジャズ/フリー・ジャズ全盛期において、モードからフリーへと展開し世界で活躍したEje Thelin、在住していたDon Cherryの流れをくむBengt Berger、1970年代以降のPer Henrik WallinやLars-Goran Ulanderなどのミュージシャンを輩出したが、スウェディッシュ・ジャズの持つリリカルさ/抒情性のためか、アヴァンギャルド/前衛的な作風は他のヨーロッパ諸国と比べて、例えばイギリスやドイツ、オランダ、フランス、北欧ではノルウェーなどと比較すると、やはり大きなムーヴメントは言い難い。それには、クラシックの影響による美意識、また社会的/政治的な闘争と結びつけられた破壊的なパワーへの機運のグラデーションなど複数の要素が関連している可能性がある。そしてそれら欧州他国のフリーとスウェーデンのそれを比較した場合でも、急進的/破壊的なカオティックさではなく、やはりリリカルな側面をサウンドに感じられるものが多い。
なぜスウェーデンでは戦後にいち早くジャズが根付いたのか。また、スウェディッシュ・ジャズで特徴的であると言及されることも多いリリカルさの根源を「Dear Old Stockholm」から問うてみました。もちろん国ごとの特徴というと主語が大きくなりがちになってしまうことは否めませんが、そこには細心の注意を払って書きました。今後はいろいろな国におけるジャズも取り扱っていければと思います。
【ディスク・レヴュー】
・Staffan Abeleen Quintet / Downstream
1964年の『Persepolis』、『Downstream』でのモード・ジャズ、1974年の『Sweet Alva』ではMiles以降のファンキーなジャズ・サウンドで、寡作ながらも知られるピアニストのStaffan Abeleen。こちら2000年代にアナログ再発された際には冒頭のナレーションが入っておらず、担当の方曰く、この部分のマスターが残っていなかったとのこと。Lars Farnlof、Palle Danielsson参加。Monica Zetterlundの歌伴も多く務めた。Tubby Hayesの最期の録音でもバックを務めていた(はず)。
・Eje Thelin / At The German Jazz Festival
1960年代後半からのフリー・ジャズ文脈で広く知られるトロンボーン奏者。それ以前のコルトレーン・マナーな1964年の第9回ドイツ・ジャズ・フェスティバルでのライヴ録音。1963年のスタジオ・アルバム『So Far』に続く作品。Ulf Andersson、Roman Dylag、Joel Vandroogenbroeck、Rune Carlssonとのクインテット。スウェーデン民謡のジャズ化「The Opener」(元曲知りたいです)、スパニッシュ・モードを取り入れながらもアグレッシヴな「Marques De Villamagna」。
・Georg Riedel / Jazz Ballet
クラシックの素養があるミュージシャンが多いのもヨーロッパならではで、Georg Riedelは若くしてジャズ・ベーシストとして活動を開始するが、幼少期は王立フィルでヴァイオリンを演奏。チェロに転向し、そこからジャズ・べーシストに。Jan Johanssonの『Jazz Pa Svenska』にも参加し、Johanssonとジャズとスウェーデン民謡の融合をプロモートすると共に、当時アメリカから輸入されたジャズ・バレエにも取り組みました。代表作。Arne Domnerus、Jan Johansson参加。
・Benny Bailey Quintet / How Deep Can You Go?
1950年代に数多くのアメリカ人ミュージシャンがスウェーデンを訪れましたが、その最初期に定住を決めたのがトランぺッターのBenny Bailey。1960年代にはドイツ、オランダに移るが、本作は1976年にストックホルムでLars Sjosten、Bernt Rosengren等と録音。先のEje Thelinの『At The German Jazz Festival』収録の「Gasoline」、Red Mitchellの「One Long String」といったスウェディッシュ・ジャズの隠れたクラシックと言える楽曲のカヴァーも収録。
・The Guido Manusardi Trio / Blue Train
ジャズ専門レーベルではないが、Swediscは先のGeorg Riedelの作品やLars Lystedtの『Jazz Under The Midnight Sun』などもリリースした。イタリアのジャズ・ピアニストのGuido Manusardiは、キャリアの初期にスイス、ドイツ、オランダ、デンマーク、ルーマニアと渡り、そしてスウェーデンに滞在した。スウェーデン期に録音した初リーダー作。Sture NordinとHeath Brothersの末弟Albert Heathとのピアノ・トリオで、タイトルはColtraneとは関係ない自作曲。Cannonball Adderleyの「Arriving Soon」など。
・Johnny Mbizo Dyani / Born Under The Heat
1970年代以降、スウェーデンではPhontastic、Four Leaf Clover Records、Caprice Records、Dragon Recordsといったレーベルが発足。1975年に発足されたDragonは過去の未発表音源や、スウェーデンのMwendo Dawa、Per Henrik Wallinなどの若手のフック・アップ作品もリリース。Johnny Dyaniは南アフリカ出身で同郷のLouis Moholo、Chris McGregor、Dollar Brand等と中心に活動。1970年代にはデンマーク、そしてスウェーデンに移り住んだ。本作はストックホルムでの録音。
ブラジルで活躍するキューバ人音楽家ヤニエル・マトスのインテリジェンス溢れる傑作アルバム『La
Mirada』に収録された名曲 「Habana」 が7インチで初のアナログ・レコード化! フリップには中村智昭 (MUSICAÄNOSSA /
Bar Music) とアズマリキ (Small Circle of Friends / Studio 75) の スペシャル・ユニット
MUSICAÄNOSSA 75 によるリミックスを収録!
YANIEL MATOS ヤニエル・マトス
Habana / Habana (MUSICAÄNOSSA 75 Remix)
MUSICAÄNOSSA GRYPS / JPN / 7"(レコード) / MNGP29 / 1008967620 / 2025年03月05日
ソングリスト
• A. Habana
• B. Habana (MUSICAÄNOSSA 75 Remix)

キューバ出身でサンパウロ在住、キューバ音楽だけでなくブラジル音楽にも深く傾倒した、異色のチェリスト兼ピアニストであるヤニエル・マトス
(Yaniel Matos)。彼の2014年の傑作アルバム 『La Mirada』 に収録され、多くの人々を魅了したリード曲 「Habana」
が7インチで初のアナログ・レコード化。キューバの首都ハバナの活気や情熱、そしてノスタルジックな雰囲気が美しく表現された名曲です。B面には中村智昭
(MUSICAÄNOSSA / Bar Music) とアズマリキ (Small Circle of Friends / Studio 75)
によるスペシャル・ユニット MUSICAÄNOSSA 75
によるリミックスを収録。原曲が持つ熱量をより現代的に再解釈し、ヒップホップ〜バレアリック、または様々なチルアウト・シーンにもマッチする、DJサイドへのアプローチが鮮やかな最高の仕上がりとなっています。
現行アルゼンチン・シーンがここ日本で注目される大きなきっかけとなった一枚がついに初アナログ化です!
HMV渋谷店で嬉々としてCDで購入したあの日から、約15年待ちました。その静かな輝きは、いまだ美しいままです。
2023年 7月 中村 智昭
MUSICAÄNOSSA / Bar Music Shibuya,Tokyo
通販はこちら!→https://barmusic.buyshop.jp
Yoshiharu Takeda『Before The Blessing』LP
揺らぎ、流れ、輪郭をあらわす幻想の音楽。
気鋭の音楽家、武田吉晴の4年振り待望のセカンド・フル・アルバム。
2018年に発表したファースト・アルバム『Aspiration』がCalmや井上薫から賞賛された、
東京在住、気鋭の作編曲家/鍵盤奏者にして選曲家としても活躍する武田吉晴。
アルバムを聴いた鈴木惣一朗(ワールドスタンダード)がその才能に惚れ込み、
自身がプロデュースするレーベル“Stella”からの新作をオファー。
4年の歳月をかけて制作された本作は、洗練の奥に潜む野性、静が内包する動を美しく表現し、
武田吉晴にしか創造できない音世界がさらに深化した素晴らしい内容。
■税込4,620円(税抜4,200円)
■レーベル:Stella
■発売・販売元:インパートメント
※Bar Musicにて好評販売中です!
Terry Callier誕生日の5月24日、当店オリジナルのスペシャルT-shirt発売!
Bar Music店主・中村智昭が組んだコンピレーションLP『Tokyo Moon』のジャケット写真を使用した、当店のみ販売のスペシャルT-shirt!
Photo by Rui Tsuguchi
Size: S/M/L/XL¥4800(税込)
テリー・キャリアー
ソウル、ジャズ、フォークの狭間をブルースと共に独自のスタイルで紡ぎ、2012年に帰らぬ人となった孤高のシンガー・ソング・ライター。
通販はこちら!→https://barmusic.buyshop.jp

現代ポーランド・ピアニズムの至宝、スワヴェク・ヤスクウケのアルバム群から超厳選の5曲を2023年4月26日に世界初アナログ化でリリースしました! 衝撃の「Sea I」、トリオでグルーヴする「Chili
Spirit」、美しき「Moments」.....。マスタリングは彼の大ファンだというCalmさんが手をあげてくださいました!
そして来日公演は5月13日土曜日、めぐろパーシモンホールにて!
2023年 5月 中村 智昭 MUSICAÄNOSSA / Bar Music Shibuya,Tokyo
〜以下、メーカー・インフォメーションより〜
現代ポーランド・ピアニズムの至宝、スワヴェク・ヤスクウケのCDオンリーのアルバム群から超厳選の5曲を世界初ヴァイナル化!
全音楽ファン必携の完全限定盤が、来日公演を目前にした絶好のタイミングでムジカノッサ・グリプスより4/26にリリース!
本国ポーランドでは2014年に、ここ日本では2016年にリリースされたアルバム『Sea』はジャズのみならず、ポスト・クラシカル/アンビエント/エレクトロニカ、例えばニルス・フラームやハウシュカ、ゴールドムンドといったアーティスト達が名を連ねるであろうピアノ・ソロ作の近代史においても、非常に稀有な光を放つ衝撃の作品でした。そのタイトル曲と言える「Sea
I」に、それ以前にトリオ名義でリリースされていたグルーヴィーな「Chili
Spirit」、永遠の美しさを湛えたバラード「Moments」という素晴らしい楽曲達を今回初めてアナログ化することができて、本当に嬉しいです。彼の音楽が、より様々な場所またはシーンで、より多くの人々の耳に届くことを心から願いながら選びました。6年ぶりの来日公演も、今から楽しみでなりません。(中村
智昭 MUSICAÄNOSSA / Bar Music Shibuya,Tokyo)
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A1.Sea I
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A2.Chili Spirit
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A3.Tokitura
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B1.Moments
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B2.Park I
スワヴェク・ヤスクウケ
1979年ポーランドはバルト海沿岸の最北部に位置するプツク生まれのジャズ・ピアニスト。若くしてサックス奏者ズビグニェフ・ナミスウォフスキのバンド・メンバーとしてデビュー。同時期にグダニスクで結成された人気バンド、ピンク・フロイトに初期サポート・メンバーとしても参加。ジャズのみならず、テクノ、パンク、フォークといった様々な音楽要素を消化しながら、2004年には自身のトリオ名義で『Sugarfree』をリリース。順調にキャリアを重ねる中でやがてピアノ・ソロというフォーマットにたどり着き、『Moments』『Sea』『Senne』『Park
Live』といった傑作を立て続けに生み出した。2023年5月13日には、めぐろパーシモンホールにて「POLISH PIANISM
Concert」来日公演を行う。

【初2LP化!】V.A.『Hydeout Productions 2nd Collection』
Nujabes 命日の2月26日、店頭入荷!
〜以下、メーカー・インフォメーションより〜
現代の音楽業界全体の流れとは別に、宣伝活動を行わず純粋に音=作品のリリースのみでリスナーから大きな支持を獲得した稀有のインディペンデント・レーベル「Hydeout
Productions」のレーベルのコレクション・アルバム第2弾「2nd Collection」が2LPでリリース。
それは、Nujabesのアルバム『Metaphorical Music』『Modal Soul』と平行して、よりレンジの広い作品・人選で綴られたHydeoutのもう一つの世界。
アルバム『Modal soul』から「Reflection Eternal」の別章とも言うべき存在である「Another
Reflection」等、レーベルのコレクション・アルバムでありながらNujabesの2nd Album『Modal
Soul』以降のレーベルの方向性を示した作品。
Nujabes / Voice Of Autumn
Nujabes / Sky Is Falling
Uyama Hiroto / Waltz For Life Will Born
Clammbon By Nujabes / Imaginary Folklore
Nujabes / Hikari
Nujabes / Counting Stars
Nujabes / Another Reflection
Nujabes / Fly By Night
Pase Rock / Old Light (Voices From 93 Million Miles Away Remix)
Emancipator / With Rainy Eyes
Shing02 / Luv(sic.) Modal Soul Remix
Uyama Hiroto / Windspeaks
DSK / Winter Lane (Nujabes Remix)
Nujabes / After Hanabi -Listen To My Beats
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品番 : HOLP007
フォーマット : 2LP
4年前に初アナログ化音源を中心にムジカノッサで組んだコンピレーション『Tokyo
Moon』の2ndプレス・エディションを、12月3日にリリースしました。「Truth In Tears 2」を追加収録、"Moon
White"カラー盤で特製ポスター付きの豪華仕様です!(中村 智昭)
〜Charles Stepney『Step On Step』入荷のお知らせ 〜
MUSICAÄNOSSA Top Reccomend ~ D/H3 usen for Cafe Apres-midi 2022 Early Autumn Selection(放送期間 8月29日~10月9日 毎週月曜18:00~26:00)
Charles Stepney『Step On Step』(2022年 / International Anthem)
もしも貴方がチャールズ・ステップニー(1931-1976)という名前を知らないとしても、キーファーやジョン・キャロル・カービーといった現行シーンの先端を行くアーティストたちにいま心を奪われているならば、この作品は絶対に耳にすべきだ。時を遡ること約50年前の1970年前後、シカゴのサウスサイドにあったという自宅の地下スタジオにてデモ的に多重録音されたこれらの楽曲は、間違いなく彼らが行き着こうとする場所に先んじている。
そして、もしも貴方がミニー・リパートンやテリー・キャリアー、またはアース・ウィンド&ファイアーという名前を知っているならば、やはりこの作品を絶対に耳にすべきだ。なぜならば彼らはその活動の最初期に、チャールズ・ステップニーという編・作曲家/プロデューサーの手によって世に送り出されたからだ。また、同時期のラムゼイ・ルイスやデルズといったすでに十分キャリアを重ねていた者たちも同様に、チャールズ・ステップニーのスコアと指揮に導かれ未踏の境地へと達していた。
そうしたことを踏まえて『Step On
Step』と向き合うとき、僕たちはついに偉大な音楽家の核心に迫ることができる。ニュー・ロータリー・コネクションに提供した稀代の名曲「I Am
The Black Gold Of The
Sun」のプロトタイプ「Black Gold」の鈍く、それでいてあまりに眩しい輝きはいったいどうだろう。僕は、胸の高鳴りを抑えることができない。
今回の初秋セレクションでは、リズムボックスに導かれる柔らかな音像からシュギー・オーティス「Pling!」をすぐに連想してしまった「Roadtrip」や、後にアース・ウィンド&ファイアーが歌い大ヒット曲となる「That's The
Way Of
The World」を選んだ。現代のポピュラー音楽史におけるミッシングリンクとも言える、これほどまでに貴重で尊い音源のマスターテープが、長期の間にほぼ劣化もせず無事に残されていた奇跡に感謝する。(Bar Music 店主 中村 智昭)
通販はこちら!→https://barmusic.buyshop.jp
青野賢一さんの書籍「音楽とファッション 6つの現代的視点」をWeb ShopにUPいたしました! Small Circle of Friends『Cell』CDも在庫ございます!→https://barmusic.buyshop.jp