好評の「辛口海老カレー」や「特製チーズケーキ」「コーヒープリン」などもご用意しております。
【Bar Music Shibuya,Tokyo】18:00 ~ Midnight
「廣瀬大輔が特定のカテゴリーを設定して、それはアーティストであったりレーベルであったりジャンルであったり。Bar
Musicのサイトにコラムと当日プレイするレコードの中から6枚のディスクレヴュー、そしてDJでは、20時から23時までをテーマに沿ってプレイします。第17回のテーマはBritish Jazz - Alexis Kornerの門下生たち」(廣瀬大輔)
6/10 Tue.
MUSICAÄNOSSA presents ANTHOLOGY <anthos+logia> VOL.17 British Jazz - the Alexis Korner’s disciples編
[DJ]廣瀬 大輔(ELLA RECORDS)
[at]渋谷 Bar Music
[info]03.6416.3307
http://barmusic-coffee.blogspot.com
※18:00オープン、着席の通常営業スタイルで20:00~23:00の開催です。
※事前予約またはご来店前にお電話でテーブルをおさえていただけますと幸いです。
※消毒、お客様着席時のグループ別ソーシャルディスタンスの確保、換気など、ウイルス対策へのご理解とご協力をお願いいたします。
※Entrance Fee ¥1000
廣瀬 大輔(Ella Records)
ヴィンテージ・レコード・ディーラー&ショップElla
Records所属。かつてはDANCE MUSIC RECORDのジャズ・バイヤーとして新譜を供給し、ライターとして“Jazz Next
Standard”シリーズや「Jazz MeetsEurope」、「500 Club Jazz Classics」、“Jazz The
New Chapter”シリーズ等の書誌や多くのライナーノーツ等へ新旧問わずジャズ/クラブ・ミュージックに関する執筆/寄稿、またDJ/選曲活動を行う。
『アマルガム (amalgam)』
1 水銀と他の金属との合金。白金・鉄・コバルト・ニッケル・マンガンなどを除く、ほとんどの金属と合金を作る。汞和金。
2 融合したもの。入りまじったもの。 (デジタル大辞典)
融合したもの。入りまじったもの。アマルガム。それはイギリスにおけるジャズの特異性を表す際に用いられる言葉であり、それをキーワードにイギリスのジャズを『共時的』、『通時的』に語ってみたいと思う。
『共時的』には、というよりも主にアマルガムという言葉は1950年代から1970年代におけるイギリスのジャズ・シーンを語る際の概念として使われてきた。話は戦後の1950年代から始めるが、戦前にヨーロッパでも隆盛を極めたスウィング・ジャズは、例えばJohnny DankworthなどがJimmy Deuchar、Don Rendellなどを従えてモダン・ジャズへ進んでいった。その一方で、1958年に訪英もしたMuddy Waters等のエレクトリック・ブルースはイギリスの若いミュージシャンたちに強い影響を与えた。モダン・ジャズ、エレクトリック・ブルース、どちらも彼らにとってはアメリカという海外からもたらされた新しい刺激的な音楽だった。シカゴ・ブルース、デルタ・ブルースなどに熱狂し、モダン・ジャズに熱中した。「ブリティッシュ・ブルースの父」と呼ばれるAlexis Kornerのカリスマ性が挙げられることが多く、この流れではGraham BondやDick Heckstall-Smith、そしてThe CreamやThe Roling Stonesなど後の主にロックの舞台で活躍したミュージシャンたちがジャズの素養を持っていたことの原点として語られることが多いが、ジャズ・ミュージシャンであるDick Morrissey、John Surman、Alan Skidmoreなども彼の元に集っており、あくまでジャズにスポットを当てたい。
日本にも同じ現象はあったであろうか。完全に近似とは言い難い部分もあるが、例えばブルーコメッツの日野皓正クインテットとの共演ライヴや、逆に日野皓正『スネイク・ヒップ』などが挙げられるだろうか。もとい。共通項としてこれには同時期に海外から渡ってきたインプロビゼーションを基本とする新しい刺激的な音楽という部分において分け隔てが無いという前提の他に、広い音楽的ジャンルの需要に対し、特化して専門的に演奏できるほどのミュージシャンがいないという要因もあったかもしれない、と思ってはいる。
また、続く1970年代を前後してのジャズ・ロックという括りに関しても、アメリカの、例えばRamsey LewisでありLee Morgan等のファンキーなそれとは大きく異なる、イギリスでのジャズ・ロックが派生する。Decca傘下の傍系レーベルDeramなどはジャズとロック、特にプログレッシブ・ロックの境界線を曖昧にさせた。Soft Machine等のカンタベリー・シーンも外せない。1960年代末にはTrevor Wattsは「Amalgam」というインプロ・ジャズ・ロック・バンドを結成した。Keith Tippett等のインプロ勢も。余白が足りない。
では『通時的』なブリティッシュ・ジャズにおける『アマルガム』については、具体的なミュージシャンを例に紹介したい。サックス奏者のDick Morrissey。
彼はTubby Hayesを手本としたハードバップ・スタイルのテナーサックス奏者として頭角を現し、自身のカルテットと並行して先述のAlexis Kornerとも共演、1969年にはギタリストのTerry Smithと共に、自身のジャズ・ロック、プログレッシヴ・バンドのIfを結成。1975年にIfが解散すると、MorrisseyはKornerとドイツをツアーし、その後アメリカに渡りAverage White Bandとツアーとレコーディングを行い、そこでギタリストのJim Mullenと出会い、フュージョン・グループMorrissey–Mullenを結成。その傍らでShakatakを全面でサポートし、スタジオ・ミュージシャンとしてGary Numan、The Blow Monkeys、The Style Councilなどのレコーディングにも参加。キャリアを通じてアマルガムであった。という具合に。
1980年代後半以降のアシッド・ジャズから現代のサウス・ロンドンのジャズ・シーンに至るまでも、イギリスのジャズは『アマルガム (amalgam)』、 融合したもの、入りまじったもの、という多様な文化と出会うことでジャズが進化を続ける信念は今日も繋がっている。
ということで、今回はAlexis Kornerの元に集った、集っていたジャズ・ミュージシャンのリーダー作、参加作縛りです。本文にもあるように、Kornerの文脈ではロック・ミュージシャンのジャズ素養について語られるケースが多いのですが、ここではジャズ・ミュージシャンのUKロック、ブルースへの貢献を語りたかった次第です。あんまされないし。あと、UKジャズだけでは広すぎるので区切りも設けたく。また別の機会の別の切り口でUKジャズも取り上げたいと思います。DJはあくまでジャズです。Kornerも持って行かないと思います。よろしくお願いいたします。
【ディスク・レヴュー】
・The Dick Morrissey Quartet / Storm Warning!
ディスク・レヴューで紹介する6枚はAlexis Kornerの門下生で、ジャズ・サイドで活躍したミュージシャンたちのリーダー作。Korner、そして彼のグループBlues Incorporatedは毎週末に Marquee Clubなどでジャムを行い、多くの若いミュージシャンたちが飛び入りで参加した。そのBlues Incorporatedの正規メンバーでもあったDick Morrissey。タイトル曲はHarry Southによるもの。このカルテットは訪英したJimmy Witherspoonのバックも務めた。アマルガム。
・The Alan Skidmore Quintet / Once Upon A Time
サックス奏者のAlan SkidmoreもAlexis KornerのBlues Incorporatedの正式なメンバーであった。John MayallとEric ClaptonによるBlues Breakersのメンバーであったり、1970年代にはThe Soft Machineにも参加した。またMike Westbrook、Michael Gibbs、Graham Collier等のバンドにも参加。本作は1970年のAlan Skidmoreのファースト・リーダー作でKenny Wheeler、John Taylor、Harry Miller、Tony Oxleyとのクインテット。録音には不参加ながら盟友John Surmanが2曲を提供。
・John Surman / How Many Clouds Can You See?
サックス奏者のJohn SurmanもBlues Incorporatedのメンバーであった。Mike Westbrookのグループで頭角を現した彼は、1969年にファースト・リーダー・アルバム「John Surman」、1970年にセカンド・アルバム「How Many Clouds Can You See?」をそれぞれDeramよりリリース。1970年代はMike OsborneやSkidmore等とともにイギリスのフリー・ジャズを牽引。また、一般的には彼のキャリアはECMでの諸作が最も知られるところであり、そこではシンセサイザーを用いた多重録音でのアンビエント・ジャズを聴かせる。
・Henry Lowther Band / Child Song
トランぺッターHenry Lowtherの1970年のファースト・リーダー・アルバム。Johnny Dankworthのビッグバンドに参加しつつ、John MayallのThe Bluesbreakersにも籍を置き、Mike Westbrook、Michael Garrick、Neil Ardleyのメンバーでありながら、Memphis Slimの英国録音『Blue Memphis』にも参加。ちなみに彼以外にも Harry Beckett、Kenny Wheeler、Stan Saltzman等も参加。Korner率いるCCSのメンバーでもあった。1980年代にはCharlie Wattsのバンドにも参加するなど生粋のアマルガムっ子。
・Harold McNair Quartet / Harold McNair
「The Hipster」収録のMcNairによるセカンド・リーダー・アルバム。ジャマイカ生まれでアルファ・ボーイズ・スクールの出身。 Joe Harriott、Dizzy Reece、Harry Beckett等と同様にイギリスに移り活動。ファースト・アルバム『Affectionate Fink』はOrnette Colemanのリズム・セクションと録音するなどジャズ・フィールドでの活動と並行して、長らくDonovanのレコーディング、ツアーへの参加、またGinger Baker、プログレッシブ・ロックのCressida、フォークのMagna Cartaにも参加。CCSのメンバーでもあった。39歳と若くして没。
・Chris McGregor's Brotherhood Of Breath / Chris McGregor's Brotherhood Of Breath
イギリスのジャズにおいて南アフリカからのミュージシャンたちも上記ジャマイカからの彼らと同様に見逃せない。ピアニストのChris McGregorが南アフリカでDudu Pukwana、Nikele Moyake、Louis Moholo、Johnny Dyani、Mongezi Fezaと組んでいたThe Blue Notesをイギリスで発展させたのがBrotherhood Of Breathで、Mike Osborne、John Surman、Alan Skidmore、Harry Beckett等も参加。南アフリカ勢はOgunレーベルでさらに発展する。
ブラジルで活躍するキューバ人音楽家ヤニエル・マトスのインテリジェンス溢れる傑作アルバム『La
Mirada』に収録された名曲 「Habana」 が7インチで初のアナログ・レコード化! フリップには中村智昭 (MUSICAÄNOSSA /
Bar Music) とアズマリキ (Small Circle of Friends / Studio 75) の スペシャル・ユニット
MUSICAÄNOSSA 75 によるリミックスを収録!
YANIEL MATOS ヤニエル・マトス
Habana / Habana (MUSICAÄNOSSA 75 Remix)
MUSICAÄNOSSA GRYPS / JPN / 7"(レコード) / MNGP29 / 1008967620 / 2025年03月05日
ソングリスト
• A. Habana
• B. Habana (MUSICAÄNOSSA 75 Remix)

キューバ出身でサンパウロ在住、キューバ音楽だけでなくブラジル音楽にも深く傾倒した、異色のチェリスト兼ピアニストであるヤニエル・マトス
(Yaniel Matos)。彼の2014年の傑作アルバム 『La Mirada』 に収録され、多くの人々を魅了したリード曲 「Habana」
が7インチで初のアナログ・レコード化。キューバの首都ハバナの活気や情熱、そしてノスタルジックな雰囲気が美しく表現された名曲です。B面には中村智昭
(MUSICAÄNOSSA / Bar Music) とアズマリキ (Small Circle of Friends / Studio 75)
によるスペシャル・ユニット MUSICAÄNOSSA 75
によるリミックスを収録。原曲が持つ熱量をより現代的に再解釈し、ヒップホップ〜バレアリック、または様々なチルアウト・シーンにもマッチする、DJサイドへのアプローチが鮮やかな最高の仕上がりとなっています。
現行アルゼンチン・シーンがここ日本で注目される大きなきっかけとなった一枚がついに初アナログ化です!
HMV渋谷店で嬉々としてCDで購入したあの日から、約15年待ちました。その静かな輝きは、いまだ美しいままです。
2023年 7月 中村 智昭
MUSICAÄNOSSA / Bar Music Shibuya,Tokyo
通販はこちら!→https://barmusic.buyshop.jp
Yoshiharu Takeda『Before The Blessing』LP
揺らぎ、流れ、輪郭をあらわす幻想の音楽。
気鋭の音楽家、武田吉晴の4年振り待望のセカンド・フル・アルバム。
2018年に発表したファースト・アルバム『Aspiration』がCalmや井上薫から賞賛された、
東京在住、気鋭の作編曲家/鍵盤奏者にして選曲家としても活躍する武田吉晴。
アルバムを聴いた鈴木惣一朗(ワールドスタンダード)がその才能に惚れ込み、
自身がプロデュースするレーベル“Stella”からの新作をオファー。
4年の歳月をかけて制作された本作は、洗練の奥に潜む野性、静が内包する動を美しく表現し、
武田吉晴にしか創造できない音世界がさらに深化した素晴らしい内容。
■税込4,620円(税抜4,200円)
■レーベル:Stella
■発売・販売元:インパートメント
※Bar Musicにて好評販売中です!
Terry Callier誕生日の5月24日、当店オリジナルのスペシャルT-shirt発売!
Bar Music店主・中村智昭が組んだコンピレーションLP『Tokyo Moon』のジャケット写真を使用した、当店のみ販売のスペシャルT-shirt!
Photo by Rui Tsuguchi
Size: S/M/L/XL¥4800(税込)
テリー・キャリアー
ソウル、ジャズ、フォークの狭間をブルースと共に独自のスタイルで紡ぎ、2012年に帰らぬ人となった孤高のシンガー・ソング・ライター。
通販はこちら!→https://barmusic.buyshop.jp

現代ポーランド・ピアニズムの至宝、スワヴェク・ヤスクウケのアルバム群から超厳選の5曲を2023年4月26日に世界初アナログ化でリリースしました! 衝撃の「Sea I」、トリオでグルーヴする「Chili
Spirit」、美しき「Moments」.....。マスタリングは彼の大ファンだというCalmさんが手をあげてくださいました!
そして来日公演は5月13日土曜日、めぐろパーシモンホールにて!
2023年 5月 中村 智昭 MUSICAÄNOSSA / Bar Music Shibuya,Tokyo
〜以下、メーカー・インフォメーションより〜
現代ポーランド・ピアニズムの至宝、スワヴェク・ヤスクウケのCDオンリーのアルバム群から超厳選の5曲を世界初ヴァイナル化!
全音楽ファン必携の完全限定盤が、来日公演を目前にした絶好のタイミングでムジカノッサ・グリプスより4/26にリリース!
本国ポーランドでは2014年に、ここ日本では2016年にリリースされたアルバム『Sea』はジャズのみならず、ポスト・クラシカル/アンビエント/エレクトロニカ、例えばニルス・フラームやハウシュカ、ゴールドムンドといったアーティスト達が名を連ねるであろうピアノ・ソロ作の近代史においても、非常に稀有な光を放つ衝撃の作品でした。そのタイトル曲と言える「Sea
I」に、それ以前にトリオ名義でリリースされていたグルーヴィーな「Chili
Spirit」、永遠の美しさを湛えたバラード「Moments」という素晴らしい楽曲達を今回初めてアナログ化することができて、本当に嬉しいです。彼の音楽が、より様々な場所またはシーンで、より多くの人々の耳に届くことを心から願いながら選びました。6年ぶりの来日公演も、今から楽しみでなりません。(中村
智昭 MUSICAÄNOSSA / Bar Music Shibuya,Tokyo)
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A1.Sea I
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A2.Chili Spirit
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A3.Tokitura
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B1.Moments
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B2.Park I
スワヴェク・ヤスクウケ
1979年ポーランドはバルト海沿岸の最北部に位置するプツク生まれのジャズ・ピアニスト。若くしてサックス奏者ズビグニェフ・ナミスウォフスキのバンド・メンバーとしてデビュー。同時期にグダニスクで結成された人気バンド、ピンク・フロイトに初期サポート・メンバーとしても参加。ジャズのみならず、テクノ、パンク、フォークといった様々な音楽要素を消化しながら、2004年には自身のトリオ名義で『Sugarfree』をリリース。順調にキャリアを重ねる中でやがてピアノ・ソロというフォーマットにたどり着き、『Moments』『Sea』『Senne』『Park
Live』といった傑作を立て続けに生み出した。2023年5月13日には、めぐろパーシモンホールにて「POLISH PIANISM
Concert」来日公演を行う。

【初2LP化!】V.A.『Hydeout Productions 2nd Collection』
Nujabes 命日の2月26日、店頭入荷!
〜以下、メーカー・インフォメーションより〜
現代の音楽業界全体の流れとは別に、宣伝活動を行わず純粋に音=作品のリリースのみでリスナーから大きな支持を獲得した稀有のインディペンデント・レーベル「Hydeout
Productions」のレーベルのコレクション・アルバム第2弾「2nd Collection」が2LPでリリース。
それは、Nujabesのアルバム『Metaphorical Music』『Modal Soul』と平行して、よりレンジの広い作品・人選で綴られたHydeoutのもう一つの世界。
アルバム『Modal soul』から「Reflection Eternal」の別章とも言うべき存在である「Another
Reflection」等、レーベルのコレクション・アルバムでありながらNujabesの2nd Album『Modal
Soul』以降のレーベルの方向性を示した作品。
Nujabes / Voice Of Autumn
Nujabes / Sky Is Falling
Uyama Hiroto / Waltz For Life Will Born
Clammbon By Nujabes / Imaginary Folklore
Nujabes / Hikari
Nujabes / Counting Stars
Nujabes / Another Reflection
Nujabes / Fly By Night
Pase Rock / Old Light (Voices From 93 Million Miles Away Remix)
Emancipator / With Rainy Eyes
Shing02 / Luv(sic.) Modal Soul Remix
Uyama Hiroto / Windspeaks
DSK / Winter Lane (Nujabes Remix)
Nujabes / After Hanabi -Listen To My Beats
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品番 : HOLP007
フォーマット : 2LP
4年前に初アナログ化音源を中心にムジカノッサで組んだコンピレーション『Tokyo
Moon』の2ndプレス・エディションを、12月3日にリリースしました。「Truth In Tears 2」を追加収録、"Moon
White"カラー盤で特製ポスター付きの豪華仕様です!(中村 智昭)
〜Charles Stepney『Step On Step』入荷のお知らせ 〜
MUSICAÄNOSSA Top Reccomend ~ D/H3 usen for Cafe Apres-midi 2022 Early Autumn Selection(放送期間 8月29日~10月9日 毎週月曜18:00~26:00)
Charles Stepney『Step On Step』(2022年 / International Anthem)
もしも貴方がチャールズ・ステップニー(1931-1976)という名前を知らないとしても、キーファーやジョン・キャロル・カービーといった現行シーンの先端を行くアーティストたちにいま心を奪われているならば、この作品は絶対に耳にすべきだ。時を遡ること約50年前の1970年前後、シカゴのサウスサイドにあったという自宅の地下スタジオにてデモ的に多重録音されたこれらの楽曲は、間違いなく彼らが行き着こうとする場所に先んじている。
そして、もしも貴方がミニー・リパートンやテリー・キャリアー、またはアース・ウィンド&ファイアーという名前を知っているならば、やはりこの作品を絶対に耳にすべきだ。なぜならば彼らはその活動の最初期に、チャールズ・ステップニーという編・作曲家/プロデューサーの手によって世に送り出されたからだ。また、同時期のラムゼイ・ルイスやデルズといったすでに十分キャリアを重ねていた者たちも同様に、チャールズ・ステップニーのスコアと指揮に導かれ未踏の境地へと達していた。
そうしたことを踏まえて『Step On
Step』と向き合うとき、僕たちはついに偉大な音楽家の核心に迫ることができる。ニュー・ロータリー・コネクションに提供した稀代の名曲「I Am
The Black Gold Of The
Sun」のプロトタイプ「Black Gold」の鈍く、それでいてあまりに眩しい輝きはいったいどうだろう。僕は、胸の高鳴りを抑えることができない。
今回の初秋セレクションでは、リズムボックスに導かれる柔らかな音像からシュギー・オーティス「Pling!」をすぐに連想してしまった「Roadtrip」や、後にアース・ウィンド&ファイアーが歌い大ヒット曲となる「That's The
Way Of
The World」を選んだ。現代のポピュラー音楽史におけるミッシングリンクとも言える、これほどまでに貴重で尊い音源のマスターテープが、長期の間にほぼ劣化もせず無事に残されていた奇跡に感謝する。(Bar Music 店主 中村 智昭)
通販はこちら!→https://barmusic.buyshop.jp
青野賢一さんの書籍「音楽とファッション 6つの現代的視点」をWeb ShopにUPいたしました! Small Circle of Friends『Cell』CDも在庫ございます!→https://barmusic.buyshop.jp